建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

新建築19年12月号

住宅特集2019年12月号を読みました。

 

巻頭論壇:都市をつくる 渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)

今月号はこの2つが全てと言っても良いのではなかろうか。

次の時代に生き残る都市として渋谷をアップデートさせる試み。具体的な方法論として谷を複層の空中回廊でつなぎ、回廊同士をアーバン・コアでつなぐ。平面と垂直のアクセス。

アイディアそのものは大学生の卒業設計でも出てきそうな内容である。それが実現された稀有な例かも知れない。アイディアは個人の建築家から発案されたもの。だけれど都市デザイナーとして内藤廣の名前は(一般大衆レベルでは)全く表に出てきていないのではないか。それは寂しい気がするとともに、だからこそ実現できたのかも知れない、とも思う。丹下健三は東京1640を描いたものの実現には至らず、磯崎新は都市からの撤退を宣言した。内藤廣は水面下に潜ることでアーバン・コアを実現した。

 

実現したことだけでも偉業だけど、このプロジェクトが上手くいっている最大のポイントは渋谷らしさが失われていない点である。新品なのに猥雑。

あのヒラヒラとしたカーテンウォールや紫色の照明や3次元的な造形がそう思わせているのだろうか。

 

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それでは今日はこの辺で。