建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

新建築2020年4月号

巻頭でレポートされているイベントには言ったが、木造で構築できる架構の可能性が広がっている様にワクワクした。虎ノ門ヒルズビジネスタワー東京メトロ銀座線渋谷駅は建築が敷地内の出来事でなく都市の活動そのものだと思える中、そういった規模で木造が使えたら、と思わずにいられない。

ROOFLAGの屋根や銘建工業本社事務所は菱形の架構がむちゃくちゃダイナミック。FLATS WOODS 木場長門市本庁舎木では主要構造部を木とRCの混構造として高増ビルや大規模ビルを実減している。

これらはエンジニアリングウッドにより実現している訳であるが、木というばらつきのある素材を均質にしようとするもの。だが木は木配りによる適材適所が肝心要と思うので、材ごとの評価ができるまでにコンピューターの計算能力が向上した時にまた変わるのだろう。CLT PARK HARUMIは大規模メンバーの木造建築における移築可能性を見せてくれている。

称名寺は自由でのびのびしてていいな。構造システムも面白い。

その他で先進的な構造を試みている作品としてはHana Fubuki Ballet de Petalesのベンディングアクティブの考え方による有機的な構造体が次世代感を感じさせる。ししいわハウスは紙という素材でここまでの架構ができることに驚きを禁じ得ない。

伝統的な工法を用いた作品では岩国のアトリエで試みられている伝統的工法と間取りやトップライトといった現代的な設計とが上手く融合されている。さわら町屋館は伝統的工法の耐震改修の工法を開発するために既存部分を新築するという力技のプロジェクトだが、天井裏で水平剛性を確保することは大変共感する。伝統家屋は敷地に余裕があるものも多いので、増築部分で補強する手法は有効そう。北海道大学医学部百年記念館は架構のプロポーションやスパン・階高が見たこともないスケール感。

流通材による試みとしてはプラス薬局みさと店の透明感あふれるフレームとスラブの立体的な構成が魅力的である。生長の家福島県教化部新開館清光社埼玉支店も。