建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

住宅特集2021年2月号/平家という選択

平家というとほとんどが地価の安い地方が舞台になる。中でも象徴的な作品は表紙を飾る楢山の別邸で、緑に囲まれる別邸なのに400平米近くもある。のびのびとした有機的なプランをガラス張りで囲む構成はこういった敷地条件ならではだろう。造形のための造形かと思ったけれど、そうではなく背後の自然公園や前面の住宅街との距離感や風景の取り込み方を考慮したものだそうだ。

同じように有機的なHouse Oは土を盛ることでRCシェルを作っているけれど、過去の盛土RCシェルに比べてずっとラフで人工的でもあるし自然な感じもする。Rural Houseもぱっと見はリニアに蛇行する屋内空間が目につくけれど、それは斜面地の切盛土を避けつつ住戸内を緩勾配で繋ぐための形式だったりする。地方ならではの形式としてはHouse OSに注目すると、宅地と農地が混在する土地に建物を建てる方法として面白いかも知れない。