建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

住宅特集21年4月号

日本は地震や台風などの自然災害とは切っても切れない関係にあるし、近代以前は数年ごとに大火に見舞われたりして定期的に破壊される家をつくり直してきた。和辻哲郎が<風土>の中で日本の夏は繁茂する雑草を抜き続けなければならない点を指摘したように、…

新建築2021年4月号

表紙のLOUIS VUITTON GINZA NAMIKIとLOUIS VUITTON MAISON OSAKA MIDOSUJI、は論考表層は建築になり得るかの試行錯誤の一環である。店舗の外装デザインだから構造やインテリアの形や素材を直接操作することができないという条件で、いかに建築は作り得るか、…

新建築2021年3月号

旧富岡製糸場西置繭所保存整備事業は補強材と既存躯体のバランスがとても良い。既存躯体、補強鉄骨、ガラス支持材、補強強化ガラスと徐々に部材のメンバーが小さくかつ断面がシャープになっているのが良いのだろうか。一方でガラスによるハウス・イン・ハウ…

広場の造形

執筆されたのは機械化が進む19世紀末のイギリス。ラスキンの『建築の7つの燈』とほぼ同時期である。 主題はラスキンの書物と同様、急速に発達する技術が変化させる環境を如何に上手く制御するかである。 訳者の後書きによると、ジッテは19世紀半ばのウィ…

建築の7燈

工業化が進む19世紀後半に書かれた本だが、ここで提示された建築の7原則は、今日にまで影響を与えているように思う。というか、今日のいわゆる建築作品に通底する基本的価値観は、本書が決定付けたのではないかとすら思える。 ラスキンが提示した7つの燈…