住宅特集 2023年12月号 「環境住宅」の展開
欠かせない側面になってきたが、全身となる特集は2016年と2018年ということで意外と少ない。外皮性能が仕様とともに記載されている点は有意義だが、全体的にシンプルな箱型が多いのが残念だった。その意味では箱の家170は難波さんが20年ほども前から続けている方法論がますます意味を持っている。シンプルな箱型の新築外断熱に対して、OBの中川さんによる界築の家は改修であるからか同じアプローチとはならず、雁行する内断熱材である。
環境的な側面を何かしら造形・空間に結びつけようとしているという点では、屋内庭のある家が地域の気候も踏まられている。批判的地域主義的かつ批判的環境主義的。オキヤネの家は屋根をダブルスキンにすることの温熱環境的な意味は理解できるものの、空間が変わるともっと良かった。建軍の家は空間的なアプローチがなされているが、平面が910ピッチだけにとどまる辺りもう少しスタディできたのではという気がした。
堀部さんによる軽井沢の家Ⅻは作風が確立されているだけに特徴がよく分かる。