建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

住宅特集2022年2月号/大地と繋がる家 環境と連続する平家の思考

定期的に組まれる平家の特集。

 

House in Los Vilosはチリの荒々しい自然と対峙する事で日本的なものが見えてくる。ヴォールトを自然に合わせて軟化させる態度は日本的。孫弟子によるPergolaも自然に合わせて建築が3次元的に変化するが、前者がヴォールトという古典的な言語を使っている一方で後者は小さな部材の集合で全体を作ろうとしているように思われる。

古典的な言語という意味ではホームベースはホームベース型と方行の建築である。論考では中世の巨匠と自作を関連づけて語ろうとしているけれど関連があまり読み取れなかった。

岬の家は水回りなどを収めつつ配置計画を変える増築。軒と高窓。周囲によりよく向き合う建築になっている。

西萩の平屋は原木から大工が削った部材が表しになっていることで何となく手仕事の雰囲気が見てとれ、深い軒が何となく内外を緩やかに連続的なものにする、ということなのだろうか。

A Townhouseは「道」と「室」と「庭」で外部と積極的に繋がろうというものなのだろうけれど、繋がり方が誌面からは読み取れなかった。

指扇の家は都市化すると建築家が予測する郊外におけるオープンプランの建築。当時と現代、ロスと東京の違いは何だろう。

関ヶ原の家はRC造の躯体がゴツいけれど屋内外の天井や庇が一体になった屋根スラブやレベル差が付いた床によって内外が連続的に感じられる。

バウンダリは円環状のプランにより各室が中庭と道路側に両方に面する状態になっている?作者はモノの多さによって建築の存在感が弱められる事を危惧していたようだけれど、十分に存在感はあるように思えた。

米倉の家は伝統的な構造や仕上げを使っているもののプランは現代的な部分も。いずれは現代の要素も古さを帯びるようになるだろうからそれを将来どう使うか参考になるかも。

空蝉の家は時々出てくるハニカム状の屋根/天井。

K-VILLAは徹底的にモダン。もう100年も前に生まれた美学が未だ健在なのだと再認識。

紀伊の廻楼は沈みゆく夕日の眺めが良さそう。それを獲得するために回廊を作るとは。

足利市の住宅はやや幾何学的に過ぎるというか、外構に予算を投じた方が周囲と溶け込めたように思う。

和邇のコート・ハウスYouTubeか何かで作者の解説を聴いたことがあるが、庭のようでもあり犬と使えるもう一つの部屋のようでもあル。