住宅特集2019年8月号
住宅特集2019年8月号を読みました。
今月号は庭特集ということで屋外との繋がり方を模索している作品が多いです。
- 作品15題
- daita2019_山田紗子建築設計事務所
- 荏原台地の家_三家大地建築設計事務所特集論考1:地形をつくるように場をつくり、家をつくる 三家大地
- ゾーニングする山_栗原健太郎+岩月美穂/studio velocity一級建築事務所
- 畑と家_荒内要建築設計事務所
- 船橋の家_手嶋保建築事務所
- 小石川の家_手嶋保建築事務所
- 武蔵野の家_横内敏人建築設計事務所
- 4+1HOUSE_ヨネダ設計舎/米田雅樹
- ペッタンコハウス2 _田辺雄之建築設計事務所
- HINO2_武藤圭太郎建築設計事務所
- 側庭の家_大塚聡アトリエ
- 売布山手の家_岸本貴信
- TAKARAZUKA HUTS_前田茂樹+木村公翼/ジオ−グラフィック・デザイン・ラボ
- 森と空へ_岸本和彦/acaa
- 5つの光庭をもつ家_新妻邦仁+新妻多恵子/ハコプラスデザイン
作品15題
daita2019_山田紗子建築設計事務所
- なんかどこかで見たことあるなぁ・・・というのが第一印象だったのですが、新しい建築の楽しさ展の会場構成をされていた方なのですね。線材が多用されているところが共通の感性を感じさせますね。
今月号の住宅特集
— 渡邉 明弘 Aki-Watanabe (@Akkun_Nabechan) 2019年8月9日
daita 2019が一番いい!
敷地を中央で庭・建屋に2分するというすごくシンプルの配置計画だけど、
線材が無数に折り重なることで、内外の距離感がちょうど良くなってるし木々の周りや住宅の内部を色々に巡る事ができるようになってる
名前的に多分ご近所のはず・・・?
荏原台地の家_三家大地建築設計事務所
特集論考1:地形をつくるように場をつくり、家をつくる 三家大地
- 8帖くらいのこぢんまりとしたスケールごとに空間が分節されていて安心感がある。分節された空間ごとに仕上が変えられていることも効いている。部分的には2.7mくらいの天井高さが確保されている部分もあって開放的な部分もありそう。
- 論考で述べられているように生きる歓びに満ちている感じがするのは、施主が自分の生活で本当に必要なものを建築家と一緒に考えたことが現れているからだと思う。世間的に必要とされているものを手に入れるのではなく。
ゾーニングする山_栗原健太郎+岩月美穂/studio velocity一級建築事務所
- 地形をよく読んでいる。地面の起伏が建物の配置や外形を決定している。窓の配置も地形の起伏を読んで適切な建物どうしの関係性を結ぼうとしている。
- このように建蔽率・容積率とも上限を大幅に下回る計画はどこまで汎用性があるのだろう。
畑と家_荒内要建築設計事務所
- 横に倒したT字型の敷地の中で曲線のポーチで2棟の建物が接続される構成。この形式は前面道路、庭、隣家との距離の取り方を調整するために採用されたみたい。
船橋の家_手嶋保建築事務所
- 毎月のように作品が掲載されている。住宅スケールだけで広がりのある空間をつくれているのは、それそこ庭と部屋のつなげ方が上手いからだと思う。
小石川の家_手嶋保建築事務所
- 手嶋さんの作品は2つともRC造。RC造って住宅にしては部材断面が大きかったり強度が高いし触った感じも冷たいし、木と比べて住宅としてはスケールオーバーした素材だと思っている。手嶋さんの作品では人が触れる部分は木などの人間スケールの素材が使われていて、コンクリートはあくまで構造材であることに徹していることが表現されている。これが心地よさと安心感をもたらしているのではなかろうか。あとはちょっと目地が入っていたりしてコンクリート部材もスケールダウンさせる技が使われている。
武蔵野の家_横内敏人建築設計事務所
- 構成が自分の近作と類似している。具体的には南側を2層吹き抜けとして大きな開口をもつLDKとし、北側や2階に居室や水周りが配置されている。
- こちらの作品のほうがより徹底されていて、南側は前面開口とされておりリビングと庭の関係は自分の近作におけるそれとは全く異なる。これを可能にしているのは庭の植栽と塀。
4+1HOUSE_ヨネダ設計舎/米田雅樹
- 屋内(なのかどうか分からない中庭と廊下)はかなりハードな温熱環境になると思う。ここまでして中庭と屋内を近づける必要あるのだろうか?
ペッタンコハウス2 _田辺雄之建築設計事務所
- 半分規格品のような作品。篠原一男が唱えた「原型住宅」に通じるものがあるアイディア。こういった製品を考えると矩形の平面、単純な架構とプラン、ローコストにまず行き着くと思われる。
- シリーズ化といってもどれも一品生産で設計するようなので、実際は作風と言ってもいいのかも知れない。
HINO2_武藤圭太郎建築設計事務所
- 母屋の屋根を屋外空間まで延長させて敷地全体を半屋外のように扱う、という形式の作品は定期的に掲載される。これは日本あるいは東アジアだけの傾向なのだろうか。
側庭の家_大塚聡アトリエ
- 近隣に位置する保育園からの音を考慮して二重の壁をRCで建て、その壁と壁の間を庭として植物を植えた計画。視線や直射などを調整するバッファゾーンとして可能性があるので、そこをもっと追求しても良いように思う。テラスと一体になったバスルームがあるとか。
売布山手の家_岸本貴信
- 擁壁に囲まれるという敷地条件を逆手にとって設置階をガラス張りにして開放的にした計画。2階がどのような空間になっているかも見たかった。
- 1階を無柱空間とするために鉄骨造が採用されるなどちょっとコスト的に無理をしている気もする。温熱環境的にも外皮全てがガラス張りというのは考えもの。もっと開く部分を限定しても同じような開放感を獲得できたという気もする。
TAKARAZUKA HUTS_前田茂樹+木村公翼/ジオ−グラフィック・デザイン・ラボ
- 分棟配置とすることで屋外空間をつくることが意図されてるが、せっかくいつくかの屋外空間に分節されている割にはそれぞれの庭が単調で変化がない。庇もないし樹木も小さいので屋外環境としてはちょっと過酷な気もする。樹木が育てば日影とかできて気持ちよくなることを狙っているのかな?
森と空へ_岸本和彦/acaa
- これくらい敷地と延床面積が大きくなるとどのように空間を分節したらよいか迷いそう。方法としては大きくて抽象的な空間をつくるか空間をたくさんつくって変化を出すか。
5つの光庭をもつ家_新妻邦仁+新妻多恵子/ハコプラスデザイン
- 中庭を中心に同じような気積の室が数珠状に連結される形式。多少の使い方が変わってもびくともしなそうな強さがある。
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それでは今日はこの辺で。