建築再生日記

建築を見たり読んだり聞いたりして、考えたことを記録するメモ帳

2020-01-01から1年間の記事一覧

住宅特集2004号 敷地の力を引き出す

敷地の力を引き出すというよりは条件の悪い中でいかに工夫するか、といった作品が多かったように思う。 マンハッタンのペントハウスⅢは若い頃に打ち出したコンセプトが生涯を通して追い求めるものになるのだということを感じさせられた。最上階であるはずな…

住宅特集2020年2月号 木の家の歓び

木造特集ということで、おおよその傾向として①構造的な工夫、②敷地・周辺環境や地域性への反応、③自主施工の可能性の検討の3点が印象的だった。多くの作品はこれらのうち複数の傾向を両立させようとしていたように思われる。 森本邸はハウスメーカーの木質パ…

住宅特集 20年3月

言うまでもなく平家は最も簡易で原初的な構築物であり、その代表は木造による架構であろう。日本における架構の発展は、大陸からの組織的な文化・技術の輸入により始まり、様々な試行錯誤を経て、柱梁の門型フレームを桁方向に延長させた周囲を雨避けの庇が…

新建築 20年3月号

リノベーションに必然で特有な問題が「何のために何を残すべきか」という問いである。とぼくらが勘違いしてしまうのは、フラットな敷地にゼロから建ち上げることをいつの間にか建築の前提と考えているからである。タブラ・ラサに線を引くという近代建築に特…

新建築20年2月号 集合住宅特集

「コミュニティが生まれ、都市が育つ」と題された建築論壇では、建築とは都市計画に従って箱を配置していく行為に止まらずボトムアップ的に都市を作っていく主体になり得ることが示されている。と思う。ヒルサイドテラスにおける低層であることの意味や共用…

進化する箱/難波和彦

一貫して<箱の家>シリーズを生み出し続けている難波和彦による、自身の歩みをまとめた書籍。 難波さんと言えば<箱の家>である。<箱の家>と言えば難波さんである。これまで150件もの住宅をつくりながら、住宅作家というイメージがないことが不思議だっ…

新建築19年11月号

住宅特集2019年11月号を読みました。 もっとも共感できるのは(そして今月号の編集の通奏低音となっているのは)メタデザインの思考と題された巻頭論壇である。 論旨をひとことで言えば「これからの作り手はユーザーに寄り添って作り続けていく存在になるよ…

新建築19年12月号

住宅特集2019年12月号を読みました。 巻頭論壇:都市をつくる 渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟) 今月号はこの2つが全てと言っても良いのではなかろうか。 次の時代に生き残る都市として渋谷をアップデートさせる試み。具体的な方法論として谷を複層の…

住宅論/篠原一男

篠原一男と言えばシノハラスクールという言葉に表される抽象的な作風が特徴的である(と例えば「現代建築史/ケネス・フランプトン」などに書いてある)。 伊東さんは色んな所で篠原さんの抽象的な空間への憧れを書いているし、安藤さんのあの抽象的な空間は…

建築と断絶/Bチュミ

本書の内容をひとことで言えば「建築の形と機能に関係なんて無い」ということになろう。 形態は機能に従うのではなく、形態と機能は断絶している。 この考えはレムの「錯乱のニューヨーク」や青木淳の「はらっぱと遊園地」でも主張されている。磯崎新の「プ…

錯乱のニューヨーク

OMA

錯乱のニューヨークを読みました。 錯乱のニューヨーク たぶん本書を初めて手に取ったのは学部生の頃、先輩に教えてもらった時だと思う。パラパラとページをめくっては「これは今の自分には到底読み込めない」と図書館の書棚に戻した記憶がある。 いま自分の…

住宅特集2020年1月号

住宅特集2020年1月号を読みました。 巻頭論文・X_青木淳 麦藁ハット_RUI Architects+西澤徹夫建築事務所 和泉の家_下川徹 安中の家_植木幹也+進士茶織/スタジオシナプス 金沢の家_中西昭太建築事務所 New Kyoto town house 4_竹口健太郎+山本麻子…

住宅特集2019年12月号

住宅特集2019年12月号を読みました。 今月号は「これからの間取り」という特集です。 住宅でなく別荘だからこそ出来ることに挑戦するとか、別荘から現代の住宅を考えるなどが必要なのだと思う。また、ネットで世界中が繋がった現代では完全な非日常というの…

住宅特集2019年11月号

住宅特集2019年11月号を読みました。 今月号は開かれる軒と窓という特集です。 定期的に特集されるテーマでもあり作品に取り入れやすいのか、18作品と多い。 作品18題 東京の住宅_畝森泰行建築設計事務所 風棲家_T-Square Design Associates 間∧屋_前田圭…